ばいあん りょうりごよみ
ばいあん りょうりごよみ

梅安料理ごよみ 池波正太郎  佐藤隆介・筒井ガンコ堂 編

 

ご存知、テレビドラマ必殺シリーズの元となった池波正太郎・作

『 仕掛人・藤枝梅安 』 シリーズのなかでたびたび登場する

食 の描写について、佐藤・筒井 両氏がいろいろと注釈、解説

思い etc といったものを加えるといった内容です。

話の主人公である梅安や彦次郎は独り者なので、基本的には

男の料理となります。 旬の野菜や魚介類といったものをあまり

手間をかけずに料理して茶碗酒といっしょに豪快に頂くのが

江戸風のようです、梅安シリーズを読み直したくなります。

 

 

さんりくかいがん おおつなみ
さんりくかいがん おおつなみ

三陸海岸大津波 吉村 昭

 

歴史は繰り返されるとよく言われますが地球サイズの営みも

また然り。  地中の奥底、プレートのぶつかり合いで生じた

巨大なエネルギーも地球が誕生してからの何万年?もの時間

から見ると、ほとんどピンポイントのようにそのエネルギーを

発散させる仕組みの中で、我々人類はその恐怖を忘れ去る事で

乗り越えてきたのでは? と思わされます。

 

 

しんやしょくどう
しんやしょくどう

深夜食堂 阿部 夜郎

 

原作がテレビドラマにもなったそうですが、愛知県近辺では

放映されてなくて非常に残念です。

店のメニューにあるのは豚汁定職、ビール、酒、焼酎 のみ

あとは勝手に注文すれば出来るものは作るというスタイルの

お店で毎夜、店主と様々な客、そして注文された料理の数々

それにまつわる人情話、喜劇、悲劇 etc

ただし深夜に読むのは要注意・・・空腹が我慢できないかも?

とうかいしぜんほどう ぜんとうは
とうかいしぜんほどう ぜんとうは

シェルパ斉藤の東海自然歩道全踏破 斉藤 政喜

 

私もチョクチョク利用させてもらっている東海自然歩道ですが

始点である東京の高尾山から終点の大阪は箕面、明治の森公園

まで全工程を徒歩で歩いたという記録小説です。

こんな旅を自分もやってみたいと憧れつつページをめくります。

東海自然歩道の魅力と人との出会い、孤独な時間や空間、そして

好奇心・・・東海自然歩道を多少は知っている私にとって情景を

目に浮かべつつ アッと言うまに読んでしまいました。

ふちゅうしんぐら
ふちゅうしんぐら

不忠臣蔵 井上ひさし

 

天下のバカ殿、浅野内匠頭はやはりキレやすい性格のようです。

大石内蔵助を始めとする四十七士はもちろん当時の大ヒーロー

に祀り上げられたようですが、反対に討ち入りに参加しなかった

(できなかった)方々は不忠者・裏切り者・非国民?

それはそれは大変な時代だったようです。

そういった人々19人(ドラマの忠臣蔵には全く登場しない)に

スポットを当て、そのウラ話を当時の関係者から伺いましょう。

語り口調でどんどんページが進みます。

 

やりがたけかいざん
やりがたけかいざん

槍ヶ岳開山 新田次郎

 

近代登山を日本に持ち込んだとされるウォルター・ウェストン

より遡ること60年あまり・・・

北アルプスの主峰である槍ヶ岳に登頂(記録がないが人類初?)

まさに江戸時代の天才アルピニスト? であり宗教人でもある

播隆上人とは? スポーツでもなく趣味でもなく・・・まして

生活のためでもなく善男善女が槍ヶ岳に登れるように槍の穂先

に鉄の鎖までかけたのはナゼ?? 全編が暗ーい感じですが

読みごたえあり。   ※JR松本駅前に銅像が建っています 

 

 

 

おとこのてりょうり
おとこのてりょうり

男の手料理 池田満寿夫

 

作者の池田満寿夫はご存知のように大変な芸術家? です。

だからといって芸術的な料理を作って紹介しようというの

ではありません。  男の料理は手間よりアイデア

冷蔵庫の扉をバッと開いて、そこにあるもので何か旨いモン

を手間ひまかけずに・・・といった まさにアイデアが満載。

いろいろマネしてみたいと思いながらイメージを膨らませつつ

ページをめくっていきましょう。

 

 

 

 

ぜんにほんくえばわかるずかん
ぜんにほんくえばわかるずかん

全日本食えばわかる図鑑 椎名誠

 

こちらも食べ物のことに関してあれやこれや書かれていますが

さすがに文章を書く専門? 『ハバツ課長のカレイ煮定食』とか

『味噌汁ぶっかけめし の遠い夏』といったストーリー仕立てで

ついついページが進んでしまいます。

誰が描くのか挿絵(4コママンガっぽい)もアジがあります。

まあ、腹がへってる時に思いの限り豪快にワシワシと食すれば

とにかく美味くてシアワセー といった内容です。

 

ここうのひと
ここうのひと

孤高の人(上・下) 新田次郎

 

先の播隆上人が江戸時代なら加藤文太郎は昭和初期~戦前に

かけて、日本を代表する登山家だったのでしょう。

真冬の北アルプス、八ヶ岳など、当時は不可能に近い?ような

ルートを常に単独行で制覇してしまうのには訳があります。

巨人の星 か タイガーマスク か? マンガに出てきそうな

ハードトレーニングと周到な準備。 しかしそんな彼でも

最期は槍ヶ岳、北鎌尾根で遭難死してしまいます。

理由はたぶん単独行でなかったから・・・人間ってムズカシイ

きらちゅうしんぐら
きらちゅうしんぐら

吉良忠臣蔵(上・下) 森村誠一

 

忠臣蔵の話は主に大石内蔵助を中心とする赤穂浪士側に視点を

置いて書かれていて、当然読む側も赤穂側を応援しつつ吉良側

はその敵役と思って感情的には憎みつつ読み進めることが日本

人の正しい読書スタイルであります。

本書は吉良家と赤穂浅野家にケンカをさせてその背後に控える

上杉家と浅野宗家を引っ張り出して取り潰しを企てようとする

柳沢吉保とその罠にかかった吉良&浅野家そして上杉家を守る

ために知恵の限りを尽くす家老の色部又四朗・・・

上野介を守るために死んだ吉良家の家来たちも忠臣だけどね。

上野介のジイさんは悪人じゃないけどワリ喰ったのかな?

 

ごうりきでん・ことう
ごうりきでん・ことう

強力伝・孤島 新田次郎

 

最近、ハマっている新田次郎氏が直木賞を受賞した作品である

強力伝を始め、短編6作品が入っています。

中でも強力伝は50貫(約190kg)もある石の風景指示盤2つ

を北アルプス白馬岳山頂に一人で担ぎ上げた男の物語です。

危険な雪渓の上や登山道で背中に縛りつけられた190kgの巨石。

命がけで運び上げた指示盤は今も白馬山頂に存在するそうです。

ぜひ、この風景指示盤を見に行ってみたくなりました。

その他、青森歩兵第五連隊(210名)が雪中行軍で遭難した

『八甲田山』、富士山頂や太平洋上の無人島で気象観測に

従事した人々の話『凍傷』『孤島』、山犬(オオカミ)を捕ま

えるための落とし穴に誤って落ちたら何とそのにはオオカミが

『おとし穴』 様々な極限状態があるものです。

 

くにとりものがたり
くにとりものがたり

国盗り物語(全四巻) 司馬遼太郎

『 落ちついている。  声がである。 その乞食は、御所の

  紫宸殿のやぶれ築地に腰をおろし、あごを永正十四年六月

  二十日の星空に向けながら、夜の涼をとっていた。』

 

この始まりの数行で物語の中に吸い込まれてしまいます。

斉藤道三が智謀の限りをつくし美濃の国を盗み取ってしまう。

道三の娘婿の織田信長がその遺志?を継いで一気に天下取り

を成し遂げようとしていた最中、これまた斉藤道三から薫陶を

受けて成長した明智光秀によって断たれてしまうまでの悲喜劇

の数々・・・何度読み返してもオモシロイ。

しんかいのししゃ
しんかいのししゃ

深海の使者 吉村昭

 

第二次大戦中、太平洋の制海権を失いつつある日本にとって

同盟国であるドイツとの人、物資、兵器&情報 etc のやり取り

は海上、空路が困難となりつつあるため、何と活路を深海に求め

潜水艦によるドイツまでの往復を計画することに・・・

乗組員たちはインド洋から喜望峰の遥か南(南極海)を経由し

大西洋を北上しドイツ統治下フランスの軍港まで3カ月余りの

航海に・・日の光を浴びることもできず、新鮮な食事もままならず

体を洗うこともできず、敵国の攻撃から身を守るため海中深く

潜って低酸素状態に苦しみつつ、深海の密閉空間(湿度100%)

という極限状態の中、私よりずいぶんと若いであろう当時の兵士

たちはどのような気持ちで乗り組んでいたのでしょうか?

 

せんかんむさし
せんかんむさし

戦艦武蔵 吉村昭

 

戦艦大和の同型艦として三菱重工長崎造船所で戦艦武蔵は誕生。

当時、世界は大艦巨砲こそ軍事力の象徴としてますます巨大戦艦

を造る競争がエスカレートしていたようです。

特に日本とって巨大戦艦とは日露戦争の日本海海戦で勝利した

という神格的なできごとが忘れられないのか、武蔵・大和が日本

の海上に浮かぶことで何人たりとも国土を侵すものは現れないと

信じたかったのかも知れません。

結局、武蔵(大和も)は殆ど機能することがなく、世界最大の

46cm砲9門も何の役にも立たず執拗なアメリカ機の爆撃で南方

の海に沈んでしまう姿は敗戦に向かって苦悩する日本国と重なって見えてきます。

 

 

にじいろにらんどすけーぷ
にじいろにらんどすけーぷ

虹色にランドスケープ 熊谷達也

 

写真では分かりにくいのですが、本の表紙には何もない一本道

を走っていくバイクが描かれています。

中身のことはいざ知らず・・表紙の写真で買ってしまった一冊

短編7編が収録されていますが、話の中にもそれぞれバイクが

登場します。 Z2 CB750 BMW-GS カタナ etc

30年以上も前のバイクばかりですが、磨きぬかれ、使い込ま

れることによって最高の道具へと進化し、一層輝いていきます。

こんな道具と共に生きていきたいと感じさせられました。

 

れいしきせんとうき
れいしきせんとうき

零式戦闘機 柳田邦男

 

旧日本海軍の主力戦闘機として活躍したゼロ戦について設計の

主務者である堀越二郎氏をはじめとする若い技術者と、それを

命がけでテスト飛行するパイロットなどの話です。

欧米諸国に比べ、かなり遅れをとっていた航空機分野での挽回

を期すべく軍部からとんでもない?性能要件を突き付けられた

技術者たちはグラム単位の軽量化と、それを成立させるための

膨大な強度計算。 コンピューターなど存在しないため、何と

計算尺を駆使して・・・知恵は無限なんだなー と感じますが

堀越氏の根底にあるものは愛国心や郷土愛、ましてやお金の為

などではなく、ただただ飛行機が好きなだけ?

そんな堀越氏が日米開戦の臨時ニュースを耳にするところで物語は終わります。

堀越氏はどんな気持ちでこのラジオ放送を聞いたのでしょうか?

さんぞくだいありー
さんぞくだいありー

山賊ダイアリー 岡本健太郎


東京で生活していた筆者がナゼか生まれ故郷である岡山の

山奥で猟師となって、生計を立てていくという筆者自身

の実話に基づいた話です。

舞台は私の故郷でもある岡山県津山市ではないでしょうか?

狩猟免許を取り、エアライフルと罠猟で様々な獲物を獲り

それを食すまでが生き生きと描かれています。

人間は(人間以外でも)生き物の命を奪ってそれを食べる事

でしか自分の命をつなぐことはできません。

命を頂くという『頂きます』とはこういうことなのでしょう。

 

とう
とう

凍  沢木耕太郎

 

登山家、山野井泰史 妙子夫妻がヒマラヤのギャチュンカン峰

(7952m)へ挑み、登頂~下山するまでの壮絶な闘いを記す

ノンフィクション作品です。

平地の1/3しかない海抜7000m地帯の酸素濃度、-30℃の

気温、雪崩に襲われほとんど垂直の壁でわずかに壁を削って

作った幅10cmの棚でのビバーグ、さらに雪崩に見舞われ絶対

絶命の危機に・・長時間、低酸素状態に曝され、二人とも視力

まで奪われてしまいます。 人間の本能はその命を守るため

手足の指、鼻、唇など体の末端部分を容赦なく切り捨てます。

凍傷に侵され、手足も自由にならない垂直の壁からどのように

生還したのか?   読む方も結構キツいんです。

かいろうでん・かいおうでん
かいろうでん・かいおうでん

海狼伝・海王伝  白石一郎


作者 白石一郎氏が直木賞を受賞した海狼伝とその続編にあたる

海王伝 戦国時代、対馬で生まれた笛太郎少年が個性豊かな仲間と出会い、成長し、そして小金丸という工夫に工夫を凝らした船を操り海賊の頭領になっていくまでの話です。

なんとなく漫画の『ワンピース』っぽい感じです。

それにしても村上水軍式戦闘場面には心踊らされてしまいます。

しかし海賊ってナゼか憧れてしまうのはワタシだけでしょうか?

まあ、ワンピース しかり パイレーツオブカリビアン しかり

小さなバイキング ビッケ しかり・・ワレワレは子供の頃から

海賊に慣れ親しみ、憧れる存在であることは間違いない。

 

にんげんりんじゅうずかん
にんげんりんじゅうずかん

人間臨終図鑑(全4巻) 山田風太郎

 

人間の生き様を書いた小説は数々ありますが、死に様を書いた

ものは少ないのではないでしょうか。

本書は古今東西、歴史に名を残した多くの著名人(英雄、武将、

芸術家、作家、政治家、芸能人、犯罪者、思想家、宗教家 etc ) の臨終に着目し、如何にして死んでいったのか? が克明に描かれ

ています。

若くして死んでいった人、天授を全うした??らしき人それぞれが幸せであったか?そうでなかったか?は本人にしか解りません

おせっかいにもこの本を読んで想像してみてはどうでしょうか?

私は毎夜、布団の中で少しづつ読み進めてきましたが、なぜか

この本を読むと寧らかな眠りに就けるのでアリマス。

 

かいぐんめしたきものがたり
かいぐんめしたきものがたり

海軍めしたき物語  高橋孟

 

『真珠湾攻撃は昼飯前に終わり、ミッドウェイ海戦は昼飯前に

始まった』と作者の高橋氏が言っています。

憧れの海軍に入隊したまでは良かったようですが、何と配属先は主計科烹炊係・・ようするに飯炊き兵となった作者の自伝小説。

主計兵が兵隊ならばトンボ蝶々も鳥のうち と一段低く見られていた烹炊兵ですが、何といっても砲兵や機関兵などには入手困難な食糧を武器に逞しく明るく生き抜いていく様子が痛快です。

艦上では戦闘が繰り広げられていて、艦が傾こうが砲弾・爆弾が当たって鍋釜がひっくり返ろうが、ただひたすらに飯を炊く。

戦場にいて戦場を見ず、上で何が起こっているのか?知らされる

こともなく、今日も艦艇の奥底で烹炊兵の戦いは続くのであります。

 

のぼうのしろ
のぼうのしろ

のぼうの城(上・下)  和田竜

 

先に映画を見て、そのあと原作を読んでみたくなった作品です。

豊臣秀吉の小田原攻めの際、支城である忍城(おしじょう)を

取り囲んだのは秀吉の家来である石田三成、大谷吉継、長束正家の三武将・・・数万の兵と圧倒的物量作戦で忍城を水攻めに。  しかしながら『のぼう様』こと忍城城代、成田長親は前代未聞の奇策に打って出ることに。

殺し合いがしたい訳ではないが、生きていく上でやむなく敵味方

となったそれぞれの側の武将たちは、戦を通して相手を理解して

きたのか?  読み終えた後のすがすがしさの正体は何だろう? 本書には関係ないが、この十数年後、石田三成は関ヶ原の合戦を画策・・大谷吉継、長束正家

両名もそれに味方して徳川家康と戦い全員が命を落としてしまいますがそれはまた後の話です。

 

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